新月伐採+ノイモントホルツ+天然乾燥
※ノイモントホルツとは、冬季の新月期に伐採し枝葉をつけたままの状態で数ヶ月間葉枯らしをおこなった木材。
野上工務店では「こだわりの木」の取り扱いをはじめました
・樹齢70年以上の国産の木
・冬の新月に伐採する、「新月の木」
・葉枯らしを3ヶ月以上行います
・証明書を発行し、履歴が分かるようにします
・天然乾燥を、二段階で行います |
ご存知でしたか?
木の伐採、製材、乾燥には、それぞれ様々な種類があることを
2005年12月、野上工務店では、よりよい建材を求めて、「樹齢70年以上で、新月の木、さらに天然乾燥で仕上げた木」の取り扱いを始めました。環境にも優しく、手間を惜しまない方法で製材した、素晴らしい素材です。そこで、実際にどのようなこだわりと工程があるのか、なぜいいのかを、ご説明します。
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樹齢70年以上の木を使います
新月に伐採するだけでなく、樹齢でも木の性質は変わってきます。木はどれくらいの年齢で伐採するのがいいのでしょうか?野上工務店が建材に使用する木は、樹齢70年以上の木々です。樹齢70年とは、70年育てた木ということです。つまり10歳で苗を植えた人間が80歳になり、ようやく伐っていいということになります。70年以上になると、木の年輪もそれだけ増え、さらにどっしりとした落ち着きある木になるからです。
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古くて新しい新月の木
木は生きています。そのためくるいや、割れ、カビなどが発生するのです。自然の素材である以上、そういった特性を完全になくすことはできませんが、職人の木の知識や、経験、技術によって、その影響を最小限におさえることはできます。結果として、日本には何百年も残る木造建造物が残っているのです。
技術に加えて、素材選びも重要です。特に新月伐採は伝統的な智慧のひとつ。昔の人は、冬の新月に木を伐ることで、丈夫で割れにくく、カビにくい木になることを知っていたようです。現代では新月伐採を実践しているところ自体、少なくなってしまいましたが、その一方で、新月の木の特徴と性能の高さは、科学的にも実証されるようになりました。
(図:「木とつきあう知恵」エルウィン・トーマ著より引用)
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新月伐採の後、葉枯らしをします
伐採の後、木を乾燥させるため、葉枯らしを行います。葉枯らしとは、伐採の後、枝葉をつけたままの状態で山に置くことです。伐採しても、葉はまだ生きているので、水分を吸い上げ、蒸発させていきます。これが木の乾燥をすすめてくれるのです。約3ヶ月以上、葉枯らしをすることにより、木は乾燥し、ゆっくりと丈夫な建材へと近づいていきます。
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葉枯らしの後、木の1本1本に証明書をつけます。これにより、伐採日などの履歴が分かり、製品になるまで管理することができます。(履歴の追跡できないものは、新月伐採木として認定されません。)
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さらに天然乾燥します
葉枯らしが終わると、いよいよ製材です。そして製材の後に、さらに自然乾燥で材木を乾かしていくのですが、流通している材木の多くは石油などを使い高温で乾燥させる、人工乾燥をしています。人工乾燥すると効率はいいのですが、乾燥が速すぎるために内部で割れが起きたりして、弱くなってしまいます(強度が天然乾燥の半分近くになるというデータもあります)。
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また、石油で乾燥させると、二酸化炭素が大量に発生しますから、環境にも良くありません。ゆるやかに天然乾燥させるのが、丈夫な木にする一番の方法です。
天然乾燥は2段階に分けて行われます。まず、@おひさまの下で、雨にも当てて乾燥します。雨ざらしだと乾燥しないのではと思われるかもしれませんが、この段階では、直射日光と、雨にも当てることによって、かえって乾燥が進むのです。この段階を終えると、次にA屋根の付いた所でさらに乾燥させて、仕上げの乾燥となります。この天然乾燥にも、約6ヶ月という時間をかけています。
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木を伐るところからの家づくり
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このように、新月にしか伐採せず、葉枯らしは3ヶ月以上行い、しかも天然乾燥するとなると、材木として使用できるまでには伐採から1年以上の時間がかかります。しかしこの方法は、環境にも優しく、山林の保護にもなり、何より他の効率的な製材方法よりも丈夫な材木になりますから、野上工務店ではこのやり方で製材した木をお客様におすすめしています。さらに、ご希望の方にはぜひ実際に山に入って木を見ていただきたいので、私たちがご案内して、実際に製材の現場や、伐採するところへお連れします。ご自分でお選びになった材木や、伐採した木で家を建てる経験を、ご提案させていただきたいと思います。見学の参加ご希望や、詳細などは、お気軽にお問い合せ下さい。
以上のように、野上工務店では、このこだわりの木を、新築や、リフォームに積極的に取り入れてまいります。全てこの木だけを使用して家づくりする他、どこの部分に使用するか、どのくらい使用するか、など、それぞれの方の状況に合わせてご提案させていただきます。また、ご希望により、伐採から体験いただき、その木を乾燥させるところまで、1年間ほどをリアルタイムにご参加いただき家づくりをすることもできます。そこまで待てないという方にも、乾燥完了の状態の中からご一緒に選びに行き、その木で家をつくるという体験も行っております。
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